足の踏み場もないくらい、家の中にものがあふれているゴミ屋敷。ゴミ屋敷は火災や倒壊のリスクもあり、周辺環境にも悪影響を及ぼすため、今や社会問題となっています。
「片付けたいのに、片付けられない」と苦しんでいる当事者も多く、こうしたゴミ屋敷化は、心の病気や発達障害も原因として考えられます。この記事では、ゴミ屋敷化の原因とされる病気や健康被害のリスクについて解説します。
ゴミ屋敷になってしまう人の特徴

ゴミ屋敷になった原因は、本人の性格によるものという考え方もされていますが、心の病を抱えて苦しんでいる場合もあります。本人の性格と決めつけず、あらゆる角度から原因を探りましょう。
まずはゴミ屋敷になってしまう人の特徴と、考えられる病気をご紹介します。思い当たる点がないか意識してみてください。
ストレスを抱えている
過度なストレスがかかると、片付けや身の回りのことに対して疎かになります。自分自身や周りの環境に、目をむける余裕がない状態です。
ストレスから解放されると、症状が回復に向かう場合もあります。一向に改善されない場合は、うつ病やセルフネグレクトといった心の病気が心配されます。
ものに対する執着心がある
「もったいない精神」が強く、なかなかものを捨てられない人は、ゴミ屋敷化する傾向があります。包装紙や紙袋、ラップの芯、商品の外箱など、「いつか使うかも知れない」と捨てずに保管する癖があり、積み重なるとやがてゴミ屋敷に。
こうしたものに対する執着は、経済的に苦労した人や高齢者に多いですが、心の病を抱えている場合もあります。
ストレス発散のために買い物に走り、後先考えずに新しいものを購入してしまう人も、部屋にものが溢れてしまいがちです。無計画で衝動的な行動が目立つなら、買い物依存症の可能性が考えられます。
整理整頓が苦手
ゴミ屋敷になってしまう人に多いのが、整理整頓が苦手なタイプです。面倒なことは、なんとなく後回しにしてしまいがち。
就寝場所や食事ができるスペースさえあれば、散らかっていても問題ないと考えている人もいます。
ゴミの出し忘れも多く、それが積み重なると、徐々にゴミ屋敷化してしまいます。いざ片付け始めても、他のことが気になってしまい何度も作業を中断するケースも。
こうした症状は、心の病だけでなく、発達障害の特性が原因とされる場合もあります。
面倒なことを後回しにしてしまうのは、多少誰でも心当たりがありますよね。ただしゴミ屋敷化するほど極端な場合は、病気や発達障害が原因の可能性を疑いましょう。
以前は片づけられていたのに、片付ける気力が湧かずできなくなった場合は、
うつ病や
セルフネグレクトが考えられます。
ゴミ屋敷になってしまう原因として考えられる病気

ゴミ屋敷化の原因となっていると考えられるのは、下記の7つの心理的な病です。主な症状やゴミ屋敷との関連を解説していきます。
思い当たる点があれば、医療機関を受診しましょう。適切な治療を受けると、症状が改善されるケースもあります。
うつ病
気力が湧かず、ものごとをネガティブに捉えてしまうのがうつ病です。生活に関する意欲が低下してしまい、身の回りのことを疎かにしてしまいます。
片付けや家事も負担に感じてしまい、次第に部屋が荒れてやがてはゴミ屋敷化に。
うつ病は、仕事や私生活による、過度なストレスが原因とされています。トラブルだけでなく、環境の変化がうつ病の原因となるケースもあります。
「セルフネグレクト」も、うつ症状のひとつです。
セルフネグレクト
セルフネグレクトとは、自分自身のケアを放棄する症状を指します。具体的には、食事や入浴など身の回りのことができなくなる状態です。
ゴミを捨てる、日用品を片付けるといった行動もできず、生活環境がどんどん悪化していきます。
うつ病が悪化した場合、セルフネグレクトの状態に進むケースがあります。
認知症
認知症になると記憶力や判断能力が衰え、捨てるべきものや、捨てるタイミングを判断できなくなります。認知力の低下により、適切にゴミを捨てたり片づけたりできなくなり、ゴミ屋敷化が進行します。
脳の障害や萎縮が原因とされており、ほとんどは高齢になってからの発症ですが、若くとも若年性認知症を発症する可能性もあるので注意が必要です。
統合失調症
統合失調症は感情や思考と行動がバラバラになってしまう精神疾患で、精神分裂症とも呼ばれています。統合失調症にはいくつかタイプがあり、人によって症状が大きく違うため、必ずしもゴミ屋敷と結びつきません。
さまざまな統合失調症の症状のうち、下記の症状はゴミ屋敷化との関連が示唆されています。
ゴミ屋敷の原因とされる統合失調症の症状
|
陽性症状 |
幻覚や思考障害から監視されている妄想を起こし、ゴミ捨てができなくなる。 |
陰性症状 |
意識が低下している状態。片付ける気力が湧かない。 |
認知機能障害 |
注意力や集中力が低下している状態。片づけが継続できなくなる。 |
強迫性障害
本人の意思とは関係なく、同じ行動や思考を繰り返す精神障害が強迫性障害です。例えば「何度も手を洗う」「何度も鍵をかけたか確認する」「自傷行為」などが強迫性障害の症状として挙げられます。
強迫性障害では、「ゴミを捨てなくてはいけないのに、ゴミを捨てられない」と、本人の意思に反した行動を繰り返し、どんどんゴミが溢れるように。「ためこみ症」も強迫性障害の一種と考えられています。
ためこみ症
必要以上にものをため込んだり、ものを捨てられない場合は、ためこみ症と呼ばれる心理的な病気の可能性があります。ホーディング症やホーダーとも呼ばれます。
ものを集めると安心し、捨てることに対して激しい不安を感じる症状です。「いつか使うかも知れない」とものに執着し、家の中で使わないもので溢れ、ゴミ屋敷化してしまいます。
買い物依存症
ものをため込む症状として、買い物依存症も挙げられます。ストレス発散のため、次々に新たな服やバッグを購入してしまう症状です。
「ストレス発散のために散財する」のは誰しもあると思いますが、散財の頻度や程度が問題となります。無計画に不要なものまで購入し、コントロールできないなら依存症と言える状態です。
買い物をすると気分が高揚し、買い物をしないと落ち着きません。
あまりに衝動的に買い物をしていると、片づけられず部屋の中がものであふれていきます。買い物依存症は、嫌なことから逃れるためや、不安感の解消のためといった心理で発症するケースが多いとされます。
ゴミ屋敷になる原因とされる発達障害

心の病気だけでなく、発達障害もゴミ屋敷化の原因とされるケースがあります。ゴミ屋敷化に関連しているとされる発達障害の特徴をご紹介します。
当事者だけでのゴミ屋敷の解決は困難なので、家族や医師、福祉によるサポートを受けましょう。
注意欠陥・多動性障害(ADHD)
ADHDには、集中力や落ち着きがないといった特性があります。ひとつの作業に集中できず、次々と別のことに興味が向くため、片付けも中断しやすく捗りません。
ゴミ屋敷化するほど「整理整頓が苦手」という場合は、ADHDである可能性が考えられます。
楽しいことを優先して片付けを後回しにする、空間の把握能力が低くどこに何を置けばいいのかわからないといったケースもあります。
自閉スペクトラム症(ASD)
特定のものに強いこだわりがあるなら、ASDの可能性もあります。愛着やこだわりが優先され、不要なものを判断できません。
ためこみ症が合併する可能性も、示唆されています。
計画的に行動できないといった特性もあり、整理整頓できずに散らかしてしまった結果、ゴミ屋敷化させる場合もあります。
ゴミ屋敷を放置するリスクは?

ゴミ屋敷を放置すると、健康面や周辺への影響などさまざまなリスクがあります。ゴミ屋敷を放置せず、家族や福祉のサポートを受け、早急に解消するよう動きましょう。
健康被害
ゴミを放置し続けると害虫や害獣が発生し、食中毒や感染症の原因となります。掃除をさぼることで埃がたまり、ハウスダストによるアレルギーのリスクも高まります。
荷物が積み上がっていると、躓きによる転倒事故の危険性も高まるでしょう。
心の病気の悪化
ゴミ屋敷に住んでいると生活環境が悪化し、自尊感情を失ってしまいます。汚れた部屋を見られたくないため、人を呼ぶこともなくなるので社会的な孤立を招くことに。
その結果、心の病が悪化し、より苦しむという悪循環に陥ってしまいます。
火災発生のリスクが高まる
ゴミ屋敷では、コンセントにたまった埃を原因とするトラッキング火災が起こりやすい状態です。荷物も多いため燃え広がりやすく、周辺にも甚大な影響を及ぼします。
ゴミが天井まで積み上がっている状態だと、重みに耐えかねて床が抜ける可能性も。最悪の場合、家屋の倒壊を引き起こします。
参考:東京電力 コンセントの埃によるトラッキング火災についてはこちら
行政処分の対象になる
倒壊や火災による被害から近隣の住民や居住者を守るため、国や自治体が強制的にゴミを撤去する可能性があります。強制撤去にかかった費用は、ゴミ屋敷の居住者に請求されます。
自分で業者に頼むよりも高額な金額が請求されるので、強制的に撤去される前に対処しましょう。
家の外にもゴミがあふれている状態だと、まず行政から指導や勧告があります。指示に従わない場合は、強制的にゴミの撤去に移る可能性があります。
ゴミ屋敷の片付けなら日本不用品回収センターへ

ゴミ屋敷を解消するなら、日本不用品回収センターにご連絡ください。即日回収にも対応しており、「すぐに片付けたい」といった場合は、ご連絡いただいたその日に駆けつけます。
顔を合わせての作業に抵抗があるなら、鍵を預けていただければ立ち会いなしで作業いたします。「近所にばれたくない」といったご事情があれば、深夜や早朝など人目につきづらい時間帯の作業もできますので、ぜひご相談ください。
日本不用品回収センターの特徴
- 即日回収に対応
- 人目につきにくい時間帯の作業もOK
- 立ち会いなしの作業もOK
- 女性スタッフ在籍
日本不用品回収センターにゴミ屋敷清掃を依頼したお客様の声
日本不用品回収センターにゴミ屋敷清掃を依頼したお客様から、寄せられた声をご紹介します。依頼するのは勇気がいると思いますが、秘密厳守で作業いたしますので、ぜひご相談ください。
ゴミをため込んでいたのですが、引っ越しすることになり自分ではどうしようもなく、日本不用品回収センターさんに来てもらいました。申し込みをしたその日に来てくれたので、無事引っ越しにも間に合いました。
借りていたアパートの部屋がいわゆる「汚部屋」状態でしたが、作業に来てくれたスタッフさんは嫌な顔ひとつせず、不要な家具も全部回収してくれました。秘密厳守ということで、安心してお願いできました。
まとめ

ゴミ屋敷化の原因は、その人の性格だけではなく、心の病や発達障害が原因となっている場合もあります。思い当たる症状があれば、医療機関を受診し、適切な治療やサポートを受けましょう。
ゴミ屋敷を放置すると健康被害や火災、家屋の倒壊といったさまざまなリスクがあります。自分だけで解決できない場合は、家族や業者の手を借りて解消できるよう進めてください。
不用品回収業者にゴミ屋敷清掃を依頼すると、ゴミが積み重なった状態でも数時間で片付きます。「周囲にバレないように」「作業員と顔を合わせたくない」など配慮してくれる業者もあるので、業者の利用も検討しましょう。
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