殺虫剤やカセットコンロガス、洗浄液など日常でスプレー缶を使用する機会は多数ありますが、処分方法に困った経験はありませんか?
正確な処分方法やスプレーの中身の捨て方が不明なままだと、安全に使用することはできません。
本記事では、スプレー缶の処分方法や中身の安全な捨て方などを解説していきます。
スプレー缶の正しい処分方法や注意点を事前に確認して、安心安全にスプレーを使用しましょう。
スプレー缶を処分する2つの方法

スプレー缶を処分するときは、下記の2つの方法があります。
スプレー缶を処分する2つの方法
※スプレー缶のみの回収は受け付けておりません。他の不用品と併せてお問い合わせください。
それぞれ解説していきますので、参考にしてください。
自治体の一般ゴミとして処分する
まずは、自治体の一般ゴミとして処分する方法です。
自治体の一般ゴミとして出せば、無料で処分できます。
ただし自治体により燃えないゴミや資源ゴミなど、どのゴミに分類されるのかルールが異なることに注意が必要です。
したがって、処分する際はお住まいの自治体に問い合わせてください。
また、自治体の一般ゴミとして処分するときの基本的な手順は、下記の通りです。
自治体の一般ゴミとして処分するときの基本的な手順
- 中身を全部使い切る
- 他のゴミとは別にして、透明な袋に入れる
- 中身が分かるように「スプレー缶」「危険」などと記載しておく
なお穴をあけるなどの対応は自治体により異なるため、詳細の手順はお住まいの自治体に問い合わせるようにしてください。
不用品回収業者に処分を依頼する
不用品回収業者に処分を依頼する方法もあります。
多くの不用品回収業者の場合、中身を出さなくても処分してもらえるため、手間がかからないのが特徴です。
ただし費用がかかることには注意をして、不用品回収業者に依頼するかを検討してください。
なお、不用品回収業者に依頼するときのメリットとデメリットについては別の章でまとめています。
不用品回収業者へ依頼して処分することを考えている方は、下記からご確認ください。
スプレー缶の処分を不用品回収業者に依頼するときのメリットとデメリット
自治体でスプレー缶を一般ゴミとして処分するときの3つの注意点

自治体でスプレー缶を一般ゴミとして処分するときは、3つの注意点があるため解説します。
自治体でスプレー缶を一般ゴミとして処分するときの3つの注意点
※スプレー缶のみの回収は受け付けておりません。他の不用品と併せてお問い合わせください。
それぞれ解説していきますので、自治体の一般ゴミとして処分する予定の方は、ぜひ参考にしてください。
中身を全部使い切る
自治体でスプレー缶を一般ゴミとして処分する場合、中身を全部使い切っておきましょう。
中身を捨てずにゴミとして処分した影響で、過去にはゴミ収集車から出火した事故が発生しています。
参考:2021年に発生した滋賀県長浜市の事故事例
スプレーの中身を完全に処分することで周囲への被害を未然に防げるので、処分前に必ず確認してください。
また、付属のガス抜きキャップを使用すれば、中身を完全に出し切って処分できます。
以下のガス抜きキャップの一般的な手順を確認して、中身を完全に出し切りましょう。
ガス抜きキャップの一般的な手順
- スプレー缶からスプレーボタンとキャップを取り外す
- 新聞紙などの上にキャップを置く
- スプレー缶を逆にして、キャップの真ん中に付いている穴にあわせて押す
- 噴射音がなくなるまでそのままにしておく
- 空になったスプレー缶は、お住まいの自治体が指示する方法で処分する
- 中身が付いた新聞紙は、乾燥させてから燃えるゴミで処分する
中身を使い切るときは汚れても良い服を着て屋外で行う
中身を捨てるときは、服に中身が付着する可能性が高いため、汚れても良い服で作業を行ってください。
また、静電気が発生すると引火する危険があります。
重ね着すると静電気が起きやすいので、同じ素材の服を着るようにしましょう。
さらに中身を吸ったり触ったりすると危険なため、作業の際はマスクと軍手を付けてください。
また火の気がなく、風通しが良い屋外で中身を捨てる作業を行うことが重要です。
なぜなら中に入っているガスは引火性があるため、屋内で作業をした場合、ガスが溜まり、爆発したり引火したりする恐れがあるためです。
したがって、必ず屋外で中身を捨てる作業をしてください。
穴あけをするかは自治体により異なる
スプレー缶の処分に伴い、穴あけの有無は自治体により異なるため、必ず居住の自治体に確認をするようにしてください。
自治体 |
穴あけの有無 |
ごみの分別種類 |
長崎県佐世保市 |
○ |
燃やせないゴミ |
静岡県藤枝市 |
○ |
資源・不燃ゴミ |
東京都足立区 |
× |
資源ゴミ |
埼玉県さいたま市 |
× |
有害危険ゴミ
(中身のあるスプレー缶とは別の袋に入れて処分) |
スプレー缶への穴あけに伴い爆発事故や火災などの危険には十分注意し、必ず市販の専用器具を使って穴を開けましょう。
中身の入ったスプレー缶の捨て方

スプレー缶を処分する際は中身を使いきる必要がありますが、全て使いきれない方も多いことでしょう。
使いきれないスプレー缶の中身を安全に捨てる方法を解説していきます。
これから中身を捨てようと考えている方は、ぜひご確認ください。
風通しの良い屋外で噴射する
消臭スプレーやヘアスプレーなどは空気中に放出できるため、火の気がなく、風通しの良い屋外で噴射すると良いでしょう。
もし長い間スプレーボタンを押せないときは、スプレーボタンが地面にくるようにスプレー缶を反対にし、地面に押し付けて噴射してみてください。
なお噴射したガスは拡散しづらいため、しばらくは火気による引火に注意をする必要があります。
したがってしばらくの間は、タバコを吸うなどの行為は控えてください。
紙類や雑巾に吸わせる
殺虫剤やペンキスプレーなどの有害性のある物質を含んでいるものは、屋外で噴射するのではなく、屋外で紙類や雑巾に吸わせてください。
紙類や雑巾に吸わせれば、中身が周囲に広がるのを最小限に抑えられます。
中身が付着した紙類や雑巾は、乾燥させた後に自治体の燃えるゴミに出して処分してください。
紙類や雑巾に吸わせるときの手順
紙類や雑巾に中身を吸わせる手順は、下記の通りです。
なお風通しが良く、火の気のない屋外で作業することを心掛けてください。
紙類や雑巾に中身を吸わせる手順
- ビニール袋に新聞紙や雑巾を入れ、スプレーを噴射する場所を決めておく
- 新聞紙や雑巾に向かってスプレーを噴射する
- 噴射の音がなくなったら噴射をやめる
- ビニール袋を閉じずに中身を乾燥させる
- 中身が乾燥し、ガスが抜けたら袋を閉じて燃えるゴミの日に出して処分する
ビニール袋に新聞紙を入れて中身を噴射する
スプレー缶の中身を使い切るにあたって、ビニール袋に新聞紙を入れて中身を噴射する方法もあります。
整髪用ムースやカラースプレー(塗料)は周囲に飛び散ると困るうえに、独特の匂いに嫌悪感を感じる方も少なくありません。
そこで、周囲に内容物が飛び散らないようにビニール袋に新聞紙など古紙を入れ、スプレーを完全に出し切るまで吹きつけましょう。
スプレー缶の中身を完全に出し切ったビニール袋は密閉後、燃えるごみとして処分してください。
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処分に注意が必要な危険なスプレー缶もある

スプレー缶のなかには、処分に注意が必要な危険なスプレー缶もあるので十分注意してください。
以下のスプレー缶は、爆発や人体へ影響のあるガスを放出する可能性もあるので、安全に配慮して処分することが求められます。
古く錆び付いたスプレー缶
状態が悪く、古く全体が錆びついたスプレー缶は、処分に注意が必要なスプレー缶の一つです。
スプレー缶のサビは金属劣化であり、中のガスが漏れ出ている可能性があります。
スプレー缶の金属が夏や冬の気温差によって膨張と収縮を繰り返すうちに徐々に劣化し、中身がスプレー缶の外部へと露出したものがサビです。
特に、スプレー缶の底に錆が溜まっている場合は、漏れ出ている量も多いので、すぐに処分しましょう。
詰まって中身が出ないスプレー缶
スプレー缶の噴射口が詰まり、中身が出ない場合、以下の手順で処分しましょう。
- 噴射ボタンを取り外す
- 40度程度のお湯に数分間浸しておく
- 濡れたタオルや綿棒で噴射口をしっかり拭き取る
- 噴射ボタンをスプレー缶に差し込む
- スプレーが出ることを確認する
詰まって中身が出ないスプレー缶は、中身がどうなっているか全くわからないので大変危険です。
処分への不安が少しでもあるなら、不用品回収業者を利用して安全に処分しましょう。
穴が空いて中身がないのか不明なスプレー缶
スプレー缶に穴が空いて、中身がないのか不明な場合、周囲への安全に配慮しながらスプレー缶を振ってみましょう。
スプレー缶を振り、「シャカシャカ」と音がしなければ中身は空になっています。
スプレー缶を振る際には、本体のどこに穴が空いているのか、周囲に人や物はないかなど事前に確認しておきましょう。
中身が空になっていることを確認した後は、各自治体の処分方法に従って処分を進めてください。
スプレー缶の処分を回収業者に依頼するメリット

処分方法や安全面への配慮が困難なスプレー缶が、不用品回収業者に依頼して処分することをおすすめします。
スプレー缶の処分を不用品回収業者に利用すると、以下のような3つのメリットがあります。
中身を捨てる必要がない
不用品回収業者を利用するメリットとして、事前に中身を捨てる必要はありません。
スプレー缶の処分をする際の最大の悩みが、中身を完全に出し切って処分することにあります。
屋外であっても、引火や爆発の不安によって処分を躊躇う方も少なくありません。
そこで、不用品回収業者なら中身を捨てない状態で処分依頼できます。
大量のスプレー缶を一度に処分できる
不用品回収業者を利用することで大量のスプレー缶を一度に処分できるメリットもあります。
一度に大量のスプレー缶を処分するには、自力で全ての中身を捨てるなど相当な時間が必要です。
不用品回収業者を利用すると、大量スプレー缶も安全かつ素早く処分でき、余計な手間や時間をかける必要がありません。
大量のスプレー缶の処分で悩んでいる方は、不用品回収業者に依頼することも選択肢の1つに含めましょう。
穴あけをする必要がない
多くの自治体ではスプレー缶に穴を開ける必要がありますが、不用品回収業者なら必要ありません。
穴あけは爆発や火災などの危険を伴う作業のため、穴あけ専用器具を使用して安全に十分気を付けて行わなければなりません。
大変な危険を伴う作業を無理して行わず、不用品回収業者に処分を依頼して、安全安心に処分を進めましょう。
スプレー缶の処分を回収業者に依頼するデメリット

スプレー缶の処分を不用品回収業者に依頼するとメリットがある一方で、以下2つのデメリットも生じます。
費用がかかる
不用品回収業者を利用することで、通常の処分では発生しない処分費用がかかってしまいます。
各自治体の一般ゴミとして処分すれば無料ですが、不用品回収業者に依頼すると有料です。
少なからず処分費用はかかりますが、中身の廃棄や袋詰めなどの手間と比較すれば不用品回収業者の利用はむしろお得でしょう。
不用品回収業者には費用以上のメリットがあるので、ぜひ利用してください。
一部の不用品回収業者ではスプレー缶を回収していない
一部の不用品回収業者ではスプレー缶の回収をしていないことも、不用品回収業者のデメリットです。
全ての不用品回収業者がスプレー缶の回収をしているわけではありません。
不用品回収業者へスプレー缶の処分を依頼する際は、必ず事前にスプレー缶を回収しているかどうかを確認してください。
スプレー缶の処分で起きた事故事例

ここでは、スプレー缶を処分する際に起きてしまった事故事例を紹介します。
スプレー缶の処分で起きた事故事例
- 2018年に発生した北海道札幌市の事故事例
- 2019年に発生した大阪府高槻市の事故事例
- 2021年に発生した滋賀県長浜市の事故事例
独立行政法人 国民生活センターからも注意喚起がされており、正しい方法でスプレー缶の処分を行うことが大切です。
出典:独立行政法人 国民生活センター
これから事故事例を紹介しますので、誤った方法でスプレー缶の処分を行うことは危険であることをご理解いただき、処分を行ってください。
それでは、3つの事故事例を紹介していきます。
2018年に発生した北海道札幌市の事故事例
1件目は、2018年12月に札幌市豊平区で起きた爆発事故です。
出典:毎日新聞
爆発した現場は繁華街にある不動産店で、消臭スプレー缶が240本以上ありました。
報道によると、不動産店のスタッフが消臭スプレー缶120本を一斉に噴射した後に湯沸かし器を使用したときに爆発したとのことです。
現在スプレー缶の多くに引火性のあるLPガスが使われているため、屋内で中身を噴射すると引火・爆発をする危険があります。
このような事故を起こさないためにも、屋外の火の気がなく風通しの良い場所で、中身を捨てるようにしてください。
2019年に発生した大阪府高槻市の事故事例
2件目は、2019年7月に大阪府高槻市で起きた爆発事故です。
出典:朝日新聞
産業廃棄物収集運搬会社の倉庫で、スプレー缶に穴をあける作業中に引火し、爆発事故が起きました。
穴をあける作業は爆発する恐れがあるため、現在では多くの自治体で穴をあけなくて良いと定められています。
もし穴をあける場合は、まずは火の気がない風通しの良い屋外で中身を噴射するなどして、完全に中身を空にしてください。
中身がなくなったことを確認して、手で握るタイプのものや缶抜きタイプのものなどの市販されている専用器具で穴をあけましょう。
注意点は、穴をあける際に、金づちや釘を使って穴をあけてはいけない点です。
なぜなら金づちや釘を使うと、火花が散って引火爆発する恐れがあるからです。
したがって、必ず専用器具を使用して穴をあけるようにしてください。
2021年に発生した滋賀県長浜市の事故事例
3件目は、2021年4月に滋賀県長浜市で起きた出火事故です。
出典:中日新聞
ゴミ収集車が回収したゴミから出火した事故で、中身が残ったスプレー缶から発火したとされています。
このような事故を起こさないためには、一人一人が必ず中身を全て出し切ってから、自治体の一般ゴミとして出す必要があります。
もし大量のスプレー缶を処分する予定で、自力で中身を捨てられない方は、不用品回収業者に処分を依頼しましょう。
スプレー缶を処分するときは日本不用品回収センターへ

スプレー缶の処分は、日本不用品回収センターにお任せください。
日本不用品回収センターに依頼をすれば、中身を捨てる必要がないため、手間がかかりません。
また24時間365日受付中で、即日対応が可能です。
特に大量のスプレー缶の処分でお悩みの方は、ぜひ一度日本不用品回収センターへご相談ください。
スプレー缶を処分するときのQ&A

ここでは、スプレー缶を処分するときのQ&Aを紹介します。
スプレー缶を処分するときのQ&A
- スプレー缶の処分は消防署でできる?
- ホームセンターやスーパーでスプレー缶の処分はできる?
スプレー缶を処分する際の参考にしてください。
スプレー缶の処分は消防署でできる?
スプレー缶の処分は、基本的には消防署で行っていません。
ただし神戸市では、消防署に専用回収箱を設置しています。
出典:神戸市
お住まいの地域により状況は異なるので、気になる方は近くの消防署に問い合わせてみると良いでしょう。
ホームセンターやスーパーでスプレー缶の処分はできる?
基本的に、ホームセンターやスーパーでスプレー缶の処分はしていません。
ただし神戸市では、ホームセンターコーナンで専用回収箱を設置し、スプレー缶を回収しています。
出典:神戸市
もしお近くのホームセンターやスーパーで専用回収箱があれば、利用してみてください。
スプレー缶の処分方法まとめ

この記事では、スプレー缶の処分方法を解説しました。
スプレー缶を処分するには、下記の2つの方法があります。
自治体の一般ゴミとして処分する
不用品回収業者に処分を依頼する
不用品回収業者へ依頼する際は、中身を捨てなくても良い場合が多いですが、自治体の一般ゴミとして処分する場合は、中身を完全に捨てる必要があります。
中身を安全に捨てるためには、下記の2つが重要です。
スプレー缶の中身を正しい方法で捨てなかったために、複数の事故が起きています。
したがって、1人1人が必ず中身を完全に捨ててから、自治体のゴミに出すことが重要です。
もしスプレー缶が大量にあるなどの理由で、自力でスプレー缶の処分を行えない方は、不用品回収業者に依頼するのがおすすめです。
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