使い切れなかった灯油は、ガソリンスタンドで引き取ってもらうか灯油の専門業者に回収を依頼する方法が一般的です。
寒い時期に灯油ストーブを使っている家庭では、シーズンが終了後の余った灯油の処分に困っているでしょう。「余った灯油は来年使おう」と考える方もいらっしゃいますが、灯油は日を追うごとに劣化します。
そこで本記事では、灯油を安全に処理する正しい処分方法や処分に伴う費用、絶対に避ける処分方法などを詳しくまとめました。
シーズン内に使い切れなかった灯油を、どのように処分すればいいのかお困りの方はぜひ参考にしてください。
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灯油を使用する際の注意点

灯油は原油から精製される石油製品の一種で、ガソリンや軽油と同様に可燃性が非常に高いです。誤った取り扱いは火災や健康被害につながる恐れがあるため、灯油を使用する際の注意点を必ず確認してください。
灯油は「第2石油類」に分類されており常温での自然発火はありませんが、揮発性があるため蒸気がたまると引火する危険性があります。引火点は約40℃以上と低く、火気の近くでの使用や保管は厳禁です。
灯油が肌や衣類に付着した場合はぬるま湯や洗剤、石鹸で早めに洗い落とし、自身や周囲の安全に配慮して取り扱ってください。
余った灯油を処分する方法を4つ紹介

一冬を超えて使用機会が減少したことで余った灯油は、以下で紹介する4つの方法で処分してください。
専門的な処分方法は決して多くないので、灯油の扱いに慣れていない方でも処分しやすいでしょう。
灯油を購入したホームセンターに持って行く
灯油を販売しているホームセンターでは、古くなった灯油や使わなくなった灯油の引き取りを実施している店舗もあります。なお、レシートがなければ、購入したという証明ができないため、回収してもらえません。
ビバホームでは、ビバホームで灯油を購入したという方に限り古い灯油を引き取ってもらえます。カインズやコメリでは灯油の引き取りには対応していません。
灯油は特別管理産業廃棄物に分類されています。特別管理産業廃棄物について詳しく知りたい方は「灯油は特別産業廃棄物だから自治体で処分するのが難しい」をご確認ください。
ビバホームで灯油を購入した方は、店舗に相談してみましょう。
デメリット
- 店舗によって対応が異なる
- 容器の状態や量によっては断られる
ガソリンスタンドに灯油を引き取りしてもらう

ガソリンスタンドに持って行き、灯油の処分をお願いすることもできます。ただし、セルフガソリンスタンドでは、回収していないところもあります。
「引き取りサービスはやっていないと言われてしまった」という事態にならないよう、事前に処分可否は必ず確認してください。
処分にかかる費用は、量によって金額が変わる場合があります。灯油を購入した人に限り、無料で処分するというガソリンスタンドも存在します。灯油をガソリンスタンドで処分することを考えているのであれば、購入時のレシートは取っておくようにしましょう。
デメリット
- 回収対応していないスタンドも多い
- 少量だと対応してもらえない
必要とする知り合いに譲る
近所に住んでいる人や仲の良い人が灯油を欲しがっている場合は譲るという方法もあります。
相手がどれだけの量を必要としているかの情報も必要となります。なるべく早めに譲りたいということを相談しておきましょう。また、譲る灯油が劣化していないかはしっかりと確認しておく必要があります。
デメリット
- 譲渡先が見つかりづらい
- 運搬中の漏れや臭いのリスクがある
不用品回収業者に依頼する
不用品回収業者に灯油の処分を任せてはいかがでしょう。全ての不用品回収業者が灯油の処分に対応しているというわけではないので、事前確認は必要です。
電話や問い合わせフォームなどで、見積もりを取ってみてください。車を所有していなかったり何かしらの理由で運転が難しく、ガソリンスタンドや灯油販売店への持ち込みが難しい場合に有効です。
STEP.1
不用品回収業者に問い合わせる
電話や問い合わせフォームから問い合わせましょう。
STEP.2
見積もりを取る
見積もりは無料で依頼できる業者が多いです。
STEP.3
回収してもらう
見積もりの金額に納得いけば回収日時を決めます。業者によっては即日の依頼も可能です。収集日になったら自宅まで回収に来てくれるので、回収作業後に精算となります。
不用品回収業者では、灯油以外の不用品もまとめて処分できます。なので、灯油とは別に処分したいものがあるという人には最適な処分方法です。
業者の中には、見積もりとは全く違う高額料金の支払いを求めてきたり、強引な回収をおこなう業者もいます。
悪徳業者に引っかからないためにも、「一般廃棄物収集運搬業許可」もしくは「古物商許可」などの資格許可を保有しているかどうか(もしくは資格を持つ業者と提携しているかどうか)、スタッフの対応が良いか、口コミ・評判が良いかを確認してみることをおすすめします。
少量の灯油を処分する2つの方法

「あとちょっとだけ灯油が余っている」という人もいるでしょう。少量の灯油処分に適した処分方法を2つ紹介します。
可燃ゴミとして出す
少量の灯油が50~100cc程度なら、可燃ゴミとして出せる自治体もあります。
灯油を染み込ませた布や新聞紙を濡れた布で包み込み、ビニール袋に入れてください。袋に入れることで、静電気などで引火してしまうのを防ぎます。
可燃ゴミとして、少量の灯油を処分して良いかは自治体ごとのルールによって異なります。可燃ゴミに出しても良いというところもあれば、禁止しているところもあるでしょう。各自治体が運営しているクリーンセンターなどへ持ち込みをおこなうことは、基本的に難しいようです。
どうしても持ち込んで処分したいという場合は、自分の住んでいる地域のクリーンセンターに、灯油の処分がおこなえるかを確認してみてください。
余った灯油を染み込ませる際は、火気に注意しましょう。また、手袋をはめて窓を開けて換気しながら排出してください。
暖房器具で空焚きする
少量の灯油であれば、石油ストーブやファンヒーターなどの暖房器具にて空焚きしてしまうのも良いでしょう。空焚きとは、灯油を使い切るまで暖房器具を運転し続けるというもの。ファンヒーターの場合、灯油の量が少なくなると給油サインが出ますが、無視して運転してみましょう。
消火後に何回か空焚きを繰り返すと、ストーブやファンヒーター内に残っている少量の灯油を使い切れます。完全に火が着かなくなったらOKです。空焚きしているストーブやファンヒーターがある部屋で、洗濯物を部屋干しすれば、洋服を乾かしたりもできます。雨の日を狙って、空焚きをおこなうのも良いでしょう。
ポリタンク一杯ほどなら、一日で処理できます。なお、ファンヒーターやストーブの故障に繋がってしまう恐れがあるため、劣化している灯油を使っての空焚きはおすすめできません。
1シーズン前の灯油は空焚きできません。シーズンの余った灯油は使い切ってしまうことをおすすめします。
灯油を処分する際の費用相場

灯油を処分する際にかかる費用を、以下のように処分方法別でまとめました。
| 灯油を処分する際の費用相場 |
| ホームセンター |
お店による |
| ガソリンスタンド |
無料~500円くらい(量によって金額変動) |
| 不用品回収業者 |
プランによる(軽トラ1台で25,000円くらい) |
| 知り合いに譲る |
無料 |
| 可燃ゴミに出す |
ゴミ袋代 |
| 暖房器具で空焚き |
無料 |
灯油はソリンスタンドで処分するのが比較的安価なので、近くのガソリンスタンドでの引き取り処分を検討しましょう。
不用品回収業者は灯油にかかる処分費用がかなり高いですが、時間や手間をかけずに安全に灯油を処分するなら不用品回収業者の利用もおすすめです。
自身の状況や安全面、費用面にも十分注意して、自身に最適な灯油の処分方法を選びましょう。
知らないと危険!やってはいけない灯油の捨て方

灯油を処分する方法の中には、避けたほうがよい方法もあります。
凝固剤などで固めて可燃ゴミに出す
「油だし、食用油を固める凝固剤を使って処分してみよう」と考える人もいるかもしれませんが、危険なので絶対にやめてください。
食用油を固める凝固剤は、「熱い状態の油」の中に入れる必要があります。灯油の引火点は食用油と比べて低いため、灯油を温めるとすぐに引火して火事が発生する可能性があります。
下水・川に流す
誰にも知られなければ良いという気持ちで水道・トイレ・川に灯油を流すことは絶対にやめてください。灯油は揮発性が高く、水と混じり合いません。下水管内で灯油が気化してガスが充満してしまえば、爆発事故が起こってしまう恐れがあるでしょう。
下水管が破裂してしまい、修復が必要となった時の費用を請求される可能性も考えられます。下水処理場まで流れた灯油は、生物処理機能という微生物を使った汚れの分解機能をストップさせてしまいます。灯油を流すことで、かなりの数の微生物が死滅してしまい、処理場の生物処理機能が停止してしまうのです。
また、川に灯油を流してしまったとしたら、川が汚染されてしまって生態系に悪い影響を及ぼしてしまうでしょう。灯油の除去作業費用もかかってしまいます。除去作業費用は、灯油を流した人が負担しなければなりません。
灯油を流したことによってトラブルが起こったら、罰金などが科せられる可能性もありますので、下水・川などに灯油を流さないようにするのが賢明な判断といえます。
土(庭)に埋める
土に埋めたとしても、灯油は分解されません。灯油は自然界にはないものですから、土の中にいる微生物は灯油を分解できないのです。
灯油を土に埋めることで、土壌汚染や生態系の乱れが生じてしまい、植物などが枯れたり育たなくなったりする恐れがあります。一度バランスが崩れてしまった土の状態を戻すためには、専用の微生物剤が必要になります。
燃やす
灯油は直接燃やして処分してはいけません。引火点が低く、一気に燃え上がるという性質を持っているので、火事になってしまう可能性があります。
直接触って処理する
灯油の処分時に、直接手で触るのはやめましょう。灯油は皮膚に吸収されやすく、そのままにしておくと灯油皮膚炎となってしまいます。
最初は「ヒリヒリするな」くらいに思うかもしれませんが、だんだん痛みを感じ、やけどのような症状が出ます。なので、灯油を処分する時はゴム手袋をするというのを徹底しましょう。
古い灯油の見分け方

灯油は長期間保管すると少しずつ劣化し、使用時にトラブルや火災の原因になるケースがあります。古い灯油の見分け方として、「色」「匂い」「不純物」の3点を確認しましょう。
通常の灯油は無色〜淡黄色ですが、茶色っぽく変色している場合は劣化の可能性が高いです。ツンとした刺激臭や酸っぱいような臭いがする場合も注意してください。
白く濁った状態や底に沈殿物が見られる場合は、灯油のなかに不純物や水分が混入している恐れがあります。一般的に灯油はワンシーズン(半年程度)で使い切るのが望ましく、それ以上経過したものは品質低下や使用異常のケースも。
異常がある灯油は無理に使用せず、安全のため適切に処分しましょう。
古い灯油を使うと起こるトラブル

劣化した灯油をそのまま使用すると燃焼状態が不安定になり、思わぬ事故や機器トラブルにつながる恐れがあります。
見た目に大きな変化がなくても、内部では成分が変質している危険性があるため注意が必要です。安全に使用するためにも古くなった灯油は使用せず、適切な方法で処分してください。
以下では、古い灯油を使うと起こるトラブルを紹介します。
一酸化炭素中毒の恐れ
古い灯油は不純物や水分が混ざっているケースが多く、燃焼が不完全になりやすいのが特徴です。
古い灯油を使用すると一酸化炭素が発生しやすくなり、室内で使用すると一酸化炭素中毒を引き起こす危険性があります。一酸化炭素は無色・無臭のため気づきにくく、頭痛やめまい、最悪の場合は命を奪いかねません。
換気が不十分な環境ではリスクが高まるため、劣化した灯油の使用は絶対に避けてください。
暖房器具の故障
古い灯油を使用すると燃焼部分に不純物が詰まりやすくなり、ストーブやファンヒーターの故障原因になります。
点火不良や異常燃焼、異臭の発生といった不具合が起こることもあり、最悪の場合は修理や買い替えが必要になるケースも少なくありません。
精密な構造を持つ機器ほど影響を受けやすいため、長期間保管した灯油は使用せずに新しい灯油を使用してください。
灯油を処分時にこぼした時の対応法

灯油をこぼしてしまった時の対処方法について紹介します。窓を閉め切った状態だと灯油のにおいなどによって気分が悪くなってしまうので、換気することが大切です。
フローリングにこぼした場合はタオルやキッチンペーパーなどで灯油を取り除き、ワックスを塗り直すと良いでしょう。
玄関にこぼした場合は新聞紙や布などで灯油を取り除き、小麦粉を撒いてから再び拭き取ります。ほうきで残りの灯油を除去し、最後に中性洗剤を撒くと良いでしょう。
灯油が手についてしまった時は、下記の方法を試してみると良いでしょう。
食器用洗剤には、油汚れを除去する成分が入っているので灯油が付着した場合の対応策としては有効と言えます。
サラダ油を手につけ、石けんで洗い流すという方法も良いでしょう。また、灯油のにおいが気になる時には消毒用エタノールを使ってみてください。
事業で使用した灯油は特別管理産業廃棄物

事業活動で使用した灯油は、家庭から出る灯油とは異なり、特別管理産業廃棄物として扱われます。
特別管理産業廃棄物とは、爆発性・毒性・感染性など、人の健康や生活環境に被害を及ぼすおそれがある廃棄物のことで、灯油は引火性廃油として該当します。そのため、一般廃棄物として自治体に処分を依頼することはできません。
事業者は特別管理産業廃棄物収集運搬業の許可を持つ専門業者に処理を委託する必要があります。無許可業者への委託や不法投棄は法律で厳しく罰せられるため、必ず適切な方法で処分してください。
参考:環境省|特別管理廃棄物とは
| 特別管理産業廃棄物の一覧 |
| 特別管理産業廃棄物 |
廃油(灯油類もここに該当) |
| 廃酸 |
| 廃アルカリ |
| 感染性産業廃棄物 |
| 特定有害産業廃棄物 |
廃PCB等 |
| PCB汚染物 |
| PCB処理物 |
| 廃水銀等(※1)(※2) |
| 指定下水汚泥(※1) |
| 鉱さい |
| 廃石綿等 |
| ばいじん又は燃え殻(※2) |
| 廃油(※1)(※2) |
| 汚泥、廃酸又は廃アルカリ(※2) |
参考:東京都環境局|特別管理廃棄物とは
灯油を入れていたポリタンクや灯油ポンプの捨て方

灯油を入れていたポリタンクや灯油ポンプは、自治体ごとの処分方法に従って分別して処分してください。
灯油ポリタンクは中身をきれいに洗浄してから、不燃ゴミあるいは粗大ゴミとして処分しましょう。
灯油ポンプは、手動型であれば小さく切り刻んで可燃ゴミにし、電動型であれば電池を取り外して不燃ゴミに分別してください。
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灯油を処分するときによくある質問

Q. ポリタンクに入っている灯油の捨て方は?
A. ガソリンスタンドに電話して、灯油を処分しているか確認しましょう。直接ポリタンクを持ち込むとスタッフの方が対応してくれます。
Q. 灯油は固めて廃棄できる?
A. 灯油を凝固剤で固めて処分することはできません。熱した灯油に凝固剤を溶かすのは大変危険ですので、絶対にやめましょう。
Q. 灯油を無料で引き取りしている業者はある?
A. ガソリンスタンドによっては無料で引き取りをおこなっています。お近くのガソリンスタンドに問い合わせてみましょう。
灯油の処分方法のまとめ

使い切れなかった灯油の処分は、正しい方法でおこなうのが大切です。記事内でも説明したとおり、灯油は特別産業廃棄物なので、保管や処分などの管理に関して厳しい規制がかかっています。
誤った処分で大きな事故が発生しては困りますよね。灯油の量や、自身の状況などから判断して最適な方法で灯油を処分しましょう。
記事の執筆者
日本不用品回収センター
関東や関西で年間20,000件の実績のある不用品回収業者(
第451910009933号)。不用品回収業界歴5年以上のプロが各記事を執筆。実際の回収作業で得た知識や経験をもとにわかりやすく伝えることを心がけています。
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